大学生であれば英語など、外国語のレポートや外国語の文献を必要とするレポートを書く機会が出てくるかと思います。
以前、参考文献の書き方は大丈夫? URLだけはNG? レポートを書く大学生は要チェック!では参考文献の書き方を紹介しました。
日本語の文献の書き方はご理解いただけたかと思いますが、外国語ではどうでしょうか。実は外国語、特に今回紹介する欧語文献の表記の仕方は日本語のものとは異なります。この機会に書き方を覚えてしまいましょう。
英語・外国語の参考文献の書き方
基本的な表記の仕方は参考文献の書き方は大丈夫? URLだけはNG? レポートを書く大学生は要チェック!でも紹介したとおりに、著者などの情報を「,(カンマ)」で区切り、最後に「.(ピリオド)」をうつ形式で表記していきます。
書籍、論文など媒体によって表記するものが違うので、注意しましょう。また、分野や指導教員の方針によって文献の表記の仕方が異なることがあります。
ここから紹介するものは基本的にどの分野でも対応できるものですが、担当教員から指示があったときはその表記方法に従うようにしてください。
英語・外国語の本、書籍の参考文献の書き方
英語などヨーロッパ系のアルファベットの言語の書籍の場合、必要な情報は以下の通りです。
・著者(編者名+編者名の外国語)
・本のタイトル(イタリック)
・サブタイトル(ある場合はタイトルのあとに「:」で続ける)
・出版地
・出版年
引用の場合
・ページ数
この要素を使って表記すると次のようになります。
著者(編者, ed.), 本のタイトル(イタリック), 出版地, 出版年, pp.○ー○.
具体的に書籍を使って表記すると次のようになります。
Neil Kent, A Concise History of Sweden, Cambridge, 2008, p.84.
・著者(編者名+編者名の外国語)
まずは著者名、編者名です。いずれも人の名前を文献として表記するときは「姓→名」の順に表記します。
著者名か編者名か、その人数が1人か2人以上かで表記が異なります。ここでは便宜上4つのパターンに分けて解説しますが、当てはまらない場合はそれぞれを組み合わせて対応してください。
・著者1人のみ
・編者1人のみ
・著者2人以上
・編者2人以上
著者1人のみ
著者1人の場合はまったく問題ありません。素直に名前を表記すれば終了です。繰り返しになりますが、人の名前を文献として表記するときは「姓→名」の順に表記します。
編者1人のみ
編者が1人のみの場合は編者名のあとに「~編」にあたる言葉を書籍の言語で表記します。
英語であれば「,ed.」をフランス語であれば「,dir.」を加えます。それぞれの言語での「~編」の言葉は各自で調べていただけたらと思います。
「,ed.」や「dir.」は略語です。そのため、「ed」や「dir」のあとには「.(ピリオド)」を挿入して、略称であることが分かるようにします。
著者2人以上
著者が2人以上いる場合は「,(カンマ)」や書籍の言語の「and」に相当する単語を使って表記します。例を示すと、
Name A, Name B, Name C, and, Name D
このように実際に文章を書くときのルールと同様、最後の1つ手前に「and」に相当する単語を入れて表記します。
編者2人以上
編者が2人以上いる場合も同様です。編者に該当する単語(「,ed.」など)を加えながら「,(カンマ)」でつなぎ、最後の1つ手前に「and」に相当する単語を入れます。
Name A,ed., Name B, ed., and, Name C, ed.
具体的にはこのようになります。著者と編者が複合する場合はこれらを組み合わせて表記してください。
本、書籍のタイトル・サブタイトル
著者や編者の次には書籍のタイトル、サブタイトルを記入します。タイトル、サブタイトルはいずれもイタリックで表記します。
サブタイトルがある場合はタイトルのあとに「:(コロン)」をうち、そのあとに続けます。
Title of Book: Subtitle of Book
Title of book: Subtitle of book
書籍のタイトルの表記方法については上記のようになりますが、表記方法に議論があります。各単語の最初の文字を大文字にするかタイトルやサブタイトルの最初の1文字のみを大文字にするかです。
基本的にはどちらでもよいように感じますが、これも指示がある場合はそれに従ってください。
なお、各単語を大文字にする場合でも「of」などの助詞や「a」などの冠詞は大文字にしません。ただし、タイトルやサブタイトルの最初が助詞や冠詞の場合は大文字表記になります。
出版地
続いて書籍が出版された場所を表記します。日本語の文献の場合は出版社を表記しますが、外国語文献の場合は出版地が必要になります。
なお、出版社の表記は任意ですが、書く場合は出版地に続けて表記します。
出版地をどうやって調べるのか、という問題が生じるかと思います。出版社をグーグルマップで検索すると場所が表示されるので、その場所を記入します。
印刷所ではなく、出版社の地名を書くので間違えないようにしましょう。
出版年
出版年は問題ありませんね。西暦で表記すれば終了です。
ページ数(引用の場合)
引用の場合はページ数の表記が必要になります。書籍の言語の「page」に該当する言語の頭文字+「.(ピリオド)」でページを続けます。
なお、英語の場合は「p.」を使いますが、複数ページを表記する場合は「pp.」を使います。言語によって異なりますが、例えばドイツ語などは複数ページであっても「S.」と表記します。
p.30
pp.40-45
S.7
複数ページにわたる場合は「-(ハイフン)」を使って表記します。
以上が英語などの外国語文献の書籍の表記方法です。複雑ですが、必要なものを組み合わせて表記するようにしましょう。
英語・外国語の論文の参考文献の書き方
続いて英語などの欧語の論文の表記方法です。書籍の表記とは微妙に異なるので、注意しましょう。必要な情報は以下の通りです。
・著者
・”論文のタイトル”
・該当論文が所収されている雑誌や論集のタイトル、編者名
・巻号
・出版社と出版年(論集の場合)
・ページ数
これらの要素を使って表記すると
著者, ”論文のタイトル”, 該当論文が所収されている雑誌や論集のタイトル, 編者名, ed., 巻号, 出版社, 出版年, ページ数.
となり、具体的な論文を使って表記すると、
Michael Karlsson, Annika Bergström, Christer Clerwall, Karin Fast, ”Participatory jounarlism – the (r)evolution that wasn’t. Content and user behavior in Sweden 2007-2013 ”, Journal of Computer-Mediated Communication, Volume 20 Issue 3, pp.295-311.
著者
まずは著者です。書籍と同様に「姓→名」の順に表記します。
”論文のタイトル”
続いて論文のタイトルです。書籍との違いはタイトルを「””(ダブルクオーテーション)」でくくることです。
該当論文が所収されている雑誌や論集のタイトル、編者名
論文は多くの場合それ単体で公開されることはなく、何らかの雑誌や論集として、いくつかの論文とまとめて発表されます。
そのため、該当論文が所収されている雑誌や論集のタイトルと編者名が必要になります。
雑誌名や論集名は「””(ダブルクオーテーション)」はつけずにイタリックで表記し、編者名は書籍同様に(イタリックにはしない)「~編」にあたる単語をつけて表記します。
ややこしいので、論文と論集、編者の3つを並べて書いてみます。
”論文のタイトル(イタリック)”, 論集のタイトル, 編者名, ed.
”Title of Paper”, Title of Papers Collection, Name A, ed.
巻号
多くの論集やタイトルは巻号が振られています。英語の場合は「Volume」と「Issue」を使って表記します。その他の言語の場合はそれに相当する単語を使います。
出版社と出版年(論集の場合)
書籍の場合は出版地を表記しましたが、出版社が発行している論集の場合は出版社名、出版年を表記します。
ページ数
先ほどもお伝えしたように、論文は雑誌や論集に収められる形で発行されます。そのため、該当する論文が論集の何ページにあるのかを表記しなければなりません。
書籍のページの表記にならって、英語の場合は「p.」や「pp.」などで表記しましょう。
インターネット上の英語・外国語の文献の書き方
インターネット上の文献を表記する場合、必要な情報は以下の通りになります。インターネット上の情報では執筆者などすべてがそろわないことも多いです。
分かった情報のみを表記し、見つからなかったものは省略してください。
・執筆者名
・”ページのタイトル”
・サイト名
・組織名
・URL
・閲覧日
これらの要素を使って表記すると次のようになります。
執筆者名, ”ページのタイトル”, サイト名, 組織名, URL, 閲覧日.
具体的に表記すると
"The Great American Recovery: Third Quarter GDP Blows Past Expectations", The White House, ,The White House, https://www.whitehouse.gov/articles/great-american-recovery-third-quarter-gdp-blows-past-expectations/, 18 Jan 2021.
この例では、執筆者が不明なため省略、サイト名と組織名が同じホワイトハウスなので、2回同じものを続けて書いています。
タイトルは「””(ダブルクオーテーション)」でくくります。
閲覧日は「日にち→月→西暦」の順で表記します。例えば2021日1月18日であれば「18 Jan 2021」のようになります。書籍や論文の場合と比べてややこしいところは少ないかと思います。
英語・外国語の参考文献を早く書く方法
実際にやってみると分かるのですが、慣れていないと英語などの外国語の参考文献の表記には非常に時間がかかります。
また、タイトルなども日本の書籍よりも長いものが多く、間違えることも多くあります。
もちろん慣れることが第一なのですが、パソコンの機能を有効活用して参考文献を早く書く方法を紹介しているので、合わせてご覧ください。
【参考文献を早く書く方法】 大学のレポートをコピペを駆使して効率良く書こう
英語・外国語の参考文献の書き方を覚えて正確に表記しよう
英語や外国語の参考文献の書き方は非常に複雑です。最初は大変かもしれませんが、徐々にならしていきましょう。
卒論レベルになると大量の外国語文献を扱わなければなりません。そのときに時間をかけないように、早めに正確に表記する努力をしておきましょう。